紙の目


伝統的な和紙のように手漉き(てすき)で漉く以外の紙は全て、抄紙機(しょうしき)を使って機械で漉かれます。

紙は植物などの繊維を絡ませたものを平らにして作るのですが、
抄紙機で紙を作る際にできる繊維の流れを「紙目」と呼びます。

抄紙機でできたロール紙の切り方により、原紙には縦目(T目)と横目(Y目)の2種類の紙目ができます。
印刷や製本をする際には、この縦目と横目を考えて印刷機に通したり、折ったりします。

厚い紙だと、長い辺と短い辺それぞれで紙を軽く曲げると手への抵抗が違うのが分かります。
手への抵抗が少ない方が目の方向です。

薄い紙の場合は、破いてみてスーと破けやすい方向が目の方向です。

貼り箱の場合は、貼り紙には縦目や横目は関係ありませんが、
箱を作る際には箱サイズや紙目の向きなどを考慮して用紙を最大限に使える最適な条件で製作します。

紙の目を意識してみると、紙に関する見識が広がって紙製品を見る時に少し面白味が増すかもしれません。